フィフィ嬢(39)
マドモワゼル フィフィ
MADEMOISELLE FIFI
———————————【39】—————————————————
Le petit marquis alla chercher dans le salon ce
qu' il lui fallait. Il rapporta une toute mignonne
théière de Chine famille Rose qu' il emplit de
poudre à canon, et par le bec, il introduisit
délicatement un long morceau d' amadou, l' alluma,
et courut reporter cette machine infernale dans
l' appartement voisin.
..———————————(訳)————————————————
小柄の侯爵、フィフィが発破に必要なものを客間に取
りに行きました.フィフィは可愛い模様の中国清朝時代
のティーポットを手に戻って来ました.それに火薬を詰
め込み、注ぎ口からそっと細長い火口用の綿を差し入れ
ました.そしてそれに着火しました.そしてその地獄の
装置を急ぎ、隣の客間に返しに行きました.
..———————————《語句》————————————————
marquis:[マルキ](m) 侯爵
rapporta:(3単単純過去) < rapporter (他)
①(もとへ)戻す、返す; ❷持って来る
mignon(ne):(形) (小さくて)かわいい
théière:[テイェール](f) ティーポット
Chine famille Rose:ピンク・ファミリー磁器、
ファミーユ・ローズ磁器;ピンク色の
釉薬を重ね塗りした18世紀の中国製磁器.
どう訳すか訳本を見てみたが、単に中国製
ティーポットとなっていました.真似して
て訳したかったが、ちょっとひねりました.
emplit:(3単単純過去) <emplir [アンプリール](他)
一杯に占める、埋め尽くす
poudre:(f) ① 粉、粉末、粉薬;②白粉(オシロイ);
❸ 火薬
bec:[ベック](m) ①鳥のくちばし、
❷(くちばしの形をした)口、先端;
bec de cruche / 水差しの口
introduisit:< introduire [アントロデュイール](他)
①(人を)招き入れる、通す;②紹介する
❸導入する、もたらす、輸入する、
④差し込む、入れる
délicatement:[デリカットマン](副) 繊細に、慎重に、優しく
amadou:[アマドゥ](m) 火口(ホグチ)、ほくちだけという
キノコから作る綿.止血剤に使われる
amadouvier:[アマドゥヴィエ](m)【菌】ほくちだけ
alluma:(3単単純過去) < allumer [アルュメ](他)
~に火をつける、点火する
courut:(3単単純過去) < courir (自) 走る
[場所の補語があれば]急ぐ
reporter:(他) 持って行く、戻す
infernal(e)(m/pl=infernaux):[アンフェルナル][_ノー](形)
地獄の、地獄のような、すさまじい
appartement:(m) ここでは集合住宅の意味ではなく
「部屋」の意味で使っています.辞書で
appartement を引くと、こういう例文がありました:
Dans cet immeuble il y a trois appartements par étage.
この建物は各階に3つのアパルトマンがある.