仏教学習日記『法華経講読』(6)


法華経講読(第6回)

次を読みます.

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「摩訶波闍波堤比丘尼.与² 眷属六千人¹ 俱.」 

  摩訶波闍波提比丘尼、眷属六千人と倶なり.    
  まかはじゃはだいびくに、けんぞくろくせんにんとともなり.

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仲村元先生の『釈尊の生涯(平凡社)』によると、お釈迦様
の誕生後、7日たって、母、マーヤー夫人は亡くなったとい
います.
   このことを後の経典は、生まれてすぐに7歩歩いて
天上天下唯我独尊」と言ったと伝えました.
 みなさん、こんな馬鹿な話はありません.

これについて、一言申し上げますと、これは釈尊誕生後、
7日たって、母が亡くなった、という文章(マガタ語だっ
たのでしょうか)をサンスクリット語や、パーリ語に訳
したときの、翻訳ミスと思われます.
その箇所とは、「7歩」.おそらく7日を7歩と訳し間違
えたのでしょう.天上天下唯我独尊というのは、母が亡く
なってひとりぼっちになってしまった、だけど母が与えて
くれた尊い命だと言っているのだと思います.
勿論、生まれたての赤子が言ったのではなく、これを
書き留めた人の感想文です.

そういうわけで、釈尊はその後は母の妹、マハーパジャー
ティーに育てられます.

実母マ-ヤー夫人は45歳のときの初産だったらしく、
そのため、お産は非常に危険な行為だったと言えます.
それでも、産んでくれたということは、これが尊い命で
なくて何でしょう!

叔母のマハーパジャー・パティー(憍曇弥、きょうどんみ)
に育てられます.この人も、この法華経聴衆の中に、6千人
の眷属(親族、従者、合わせて6000人)がいたと言って
います..もちろん実際には、説法場には30名ほどしか入れ
ません.1~2人お連れ様がいたのでしょう.