仏教学習日記『法華経講読』(33)


法華経講読(第33回)

                                   
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是時天雨²曼荼羅華.摩訶曼荼羅華.曼殊沙華.摩訶曼殊沙華.

而散²仏上及諸大衆¹ .普仏世界六種震動.

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【書き下し文】

是(こ)の時(とき)に天(てん)より曼荼羅華(まんだらけ)・
摩訶曼荼羅華(まかまんだらけ)・曼殊沙華(まんじゅしゃけ) ・
摩訶曼殊沙華(まかまんじゅしゃけ)を雨(ふ)らして  、
仏(ほとけ)の上(みうえ)及び諸(もろもろ)の大衆(だいしゅ)に
散じ、普仏世界(ふふつせかい)六種に震動(しんどう)す.


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曼殊沙華(まんじゅしゃげ)の読みですが、仏法書はすべて(まん
じゅしゃけ)と、「け」を濁らず読ませています.違和感を感じら
れる方は「げ」で読んでいただいてかまいません.曼殊沙華はお
なじみの彼岸花、あの赤い細長の針状の花弁の花.曼荼羅華は白
いチョウセンアサガオです....と書きかけたところ、ご専門の先
生に言わせるとこれらは蓮の花のことで、曼荼羅華は白い蓮、曼
殊沙華が赤い蓮、なのだそうです.ここは正しくは、白蓮、紅蓮
(びゃくれん・ぐれん)が降り注いだと読みます.

   私も自分で調べたところ、曼荼羅華は天華デイコといって
天が降らす5つの華のひとつ.デイコはサンスクリット語
マンダーラヴァ.きっとこの音読みが曼荼羅華になったのでしょ
う.そしてその花は高さ100由旬(1由旬約10kmで換算しましょ
う)そういう巨大な花が須弥山にあって、そこから曼殊沙華も曼荼
羅華も降ってくるのだそうです.でもデイコの花はグロテスクな
ので、これではなくアサガオがいいと思うのですが.蓮のような大
きなものが天から降ってきたら恐怖です.愛らしい花びらが降っ
てきたのだと思います.三好達治の「あわれ花びら流れ」のよう
な感じで.インドの蓮の花はカラスが羽を広げたように大きく
グロテスクだと思います.

普仏世界(ふふつせかい)は普(あまね)く仏(ほとけ)世界、と
読んでもかまいません.フランスもプロイセンも無関係です.

「六種に震動す」は大地が動く、つまり大地に立つ者すべてが
感動する、ということ.地震ではなく、感動したということです.
説法するときに関東大震災阪神淡路大震災が来るのでは
安心して聴聞できません.