仏教日記(7)


仏教日記(7)
 

 ベナレス、及びベナレス近郊のサールナートでの一連の教化を終えた
ブッダは、ブッダの覚りのふるさと、ウルヴェーラーに向かった.
途中ピクニックに来ていた若者29名を教化し、ウルヴェーラーに
戻ってきました.

ここでは火の神様を崇拝する宗教がさかんで、ブッダもこの火の神を
崇拝するカッサパ3兄弟に出会います.この宗教はバラモン教で、当時
のインドでは最高権威の宗教だったといわれています.

ブッダはまずウルヴェーラー・カッサパのところに行きました.

ブッダ:カッサパはん、あんたとこの「聖火堂」で一晩泊めて
    くれへんか.

カッサパ:ええよ.ええけど、あのお堂には毒蛇も住んでまっせ.
     わしら、あの毒蛇を竜王といってむげにはしてまへん
     のやで.

ブッダ :そんなん心配いらんわ.竜王やったら友達や.ムチャリ
     ンダ樹におったとき、友達になったわ.

 

 

———————(聖火堂で)———————————————————————

 

毒蛇  :何や、変わったやつが入ってきよった.ばかたれが.
     煙吐いて、脅かしたろ.ヒュ~

ブッダ :そう来るか.ほな、わての神通力でおまはんの火力を
     消耗させたるわ.ブッダの煙じゃ、味わえ~ヒュ~・

毒蛇  :や、やりやがったな.ほな、火焔攻撃をくらえ!

ブッダ :ほう、やるやないか.ほなこの火焔攻撃を受けてみい!
     ゴー、ゴー、ヒュルヒュル~ 

毒蛇  :あかん、もう消耗してもた.降参!

ブッダ :ほな、この鉢に入っとけ.

 

 ———————(翌朝)————————————————————————

ウルヴェーラ
カッサパ :かわいそうに.きのうのお人は、もう毒蛇に
      食われて死んでもうたやろな.

 

 ガラガラガラ. カッサパさんが聖火堂の戸を開けて中に入って 
見ると、死んでると思っていたブッダが生きていた.しかも、妖力
を失った毒蛇が小さくなって、鉢の中に入れられていた.

 

カッサパ:な、な、なんちゅーこっちゃ.

ブッダ :このチビすけがあんたの竜王やってんけど、力尽きて
     こんなにちっちゃくなりましたで.

カッサパ:あ、あんた何者や?


しばらくカッサパさんの家の近くに住みながら、様々な神通力を
見せたので、カッサパさんはついに、ブッダにひれ伏しました.

そして残りの2人のカッサパさんもブッダに帰依したため 
ウルヴェーラ・カッサパさんとその弟子500人.,      
ネーランジャラー河のそばのナディー・カッサパさんとその弟子
300人、そしてガヤー・カッサパさんとその弟子200人がブッダ
に帰依しました.

こうして一挙にブッダの弟子は1000人となりました.さらに
サンジャヤという懐疑論者から弟子250名を帰依させたので、
この地では1250人の弟子を抱えるにいたりました.

仏教経典に仏、1250人の一行と共に住したもう、という
書き出しは、ここでのお弟子さんたちのことをいうようであり
ます.

そしてこの弟子たちを連れて、ガヤー市近郊のガヤー・シーサー
山、つまり象頭山(ぞうずせん)に登り、有名な「すべては燃え
ている」説法を行ないました.