仏教学習日記『法華経講読』(20)


法華経講読(第20回)

                                   
——————————————————————————————

爾時釈提桓因.与²其眷属二万天子¹倶.

爾(そ)の時に釈提桓因(しゃくだいかんにん)、
其(そ)の眷属(けんぞく)二万の天子と倶(とも)なり.

——————————————————————————————

釈提桓因は、帝釈天と言ったほうが通りがいいかもしれません.
「提桓因」はインドの語で「天帝」のことです.これは仏教より
古いインドの思想で、この地上の世界の他に、天上の世界がある
と考えられていました.その天上の世界を支配する最高の人物が
「天帝」でこの天帝の苗字が「釈」です.私たち地上の人間に苗
字があるように天上界の人々も皆、苗字を持っていると考えられ
ていました.「帝釈」さまは苗字と名前が逆だと思ってしまいます
が、インド・ヨーロッパの言語の世界では、通例、個人名が先に
来て、それから苗字になりますので、この名前が正式の読みにな
ります.

この「帝釈」さまと同じく古代インド思想から生まれたブラフマン
が神格化した「梵天」、この両者がインドの最高神で、共に仏教の
擁護者となっています.

まあ、つまりインドの最高神も仏説「法華経」を聴聞するため隣席
していたということです.よろしいでしょうか.帝釈様も仏の教え
に帰依していたということですので.